社会で人と人とが会話をする場合、わきまえておかなければならないのが敬語です。でも、普段から敬語を使い慣れていないと、敬語はよそよそしいという印象をもつ人もあります。
TPOにあわせてスムーズに言葉を使い分けることができる人って素敵ですよね。あなたはどうでしょうか。
目上の人とか、お客様を前にすると、
言葉遣いに自信がなくて・・・
まず、自分がどんな話し方をしているのか、
ふりかえってみましょう。
あなたは どんな言葉 で話していますか?
きちんとした敬語で丁寧に話している
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- お食事を召し上がりますか?
- ご一緒に参りましょうか?
- こちらをお飲みになりますか?
ほぼ一般的な敬語で話している
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- お食事を食べられますか?
- ご一緒に行かせて頂きましょうか?
- こちらを飲まれますか?
丁寧語だけを一部使って話している
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- ごはん、食べます?
- 一緒に行きましょうか?
- これ、飲みます?
まったく敬語で話していない
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- ごはん、食べる?
- 一緒に行こか?
- これ、飲む?
違和感のないのはどの話し方かな?
どちらかの選択かと思っていたのに、
敬語ってステップがあるんですね!
そう。言葉遣いは、ファッションと同じ。
あなたが違和感のないものほど、日頃、あなたが選びやすい服装なんです。
でも、もし、自宅で寛ぐためのルームウェアを、そのまま職場に着て行ったとしたらどうでしょうか。しかも本人が平然としていたら、まわりはびっくりしてしまいますよね。服装にフォーマルからカジュアルまで段階があるように、敬語も同じ。TPOにあわせて使い分ける知識とセンスが必要です。
敬語の基本 を覚えよう
敬語は文字通り、「相手を敬うために使う言葉」。その敬い方には3つのグループがあります。
相手を高いポジションに置く「尊敬語」と、自分を低いポジションに置く「謙譲語」、そして言葉をていねいに表現する「丁寧語」です。
敬語には3つのグループがある
「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」
「尊敬語」と「謙譲語」には、さらに、3つのステップがあります。言葉そのものを言い換える「置き換え式」、
言葉の頭に「お」をつけて変換させるもの、言葉の後ろに「~れる、られる」「~させていただく」と続けるもの。
この使い分けによって敬語のランクが決まります。いずれも、一番ランクが高いのが、
「最上敬語」と呼ばれる「置き換え式」です。
「尊敬語」と「謙譲語」には3つのステップがある
「置き換え式」が敬語として一番ランクが高い
敬語を整理してみよう
Ⅰ 尊敬語
相手が主語のとき、相手を高めて表現し敬意を払う
置き換え式・・・
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- 行く → いらっしゃる
- 言う → おっしゃる
- 食べる → 召し上がる
お ~になる ・・・
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- 出かける → お出かけになる
- 書く → お書きになる
~れる、られる ・・・
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- 帰る → 帰られる
- 来る → 来られる
Ⅱ 謙譲語
自分が主語のとき、自分を低めて表現し相手に敬意を払う
置き換え式・・・
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- 行く → 参る
- 言う → 申す
- 食べる → いただく
お(ご) ~する(いたす)・・・
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- 知らせる → お知らせする
- 連絡する → ご連絡する
~させていただく・・・
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- 待つ → 待たせていただく
- 聞く → 聞かせていただく
Ⅲ 丁寧語
丁寧に表現することで相手を敬う
置き換え式・・・
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- 寝る → 休む
- 今日 → 本日
- 洋服 → お召し物
「お」「ご」をつける・・・
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- お名前 ご家族
「です」「ます」「ございます」をつかう・・・
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- 会場はこちらでございます
でも、よく使う言葉はわりと決まっているから、
覚えてしまうとそうでもないのよ。
中でもみんなが間違えやすいのが、謙譲語。 特に「参る」と「申す」は、尊敬語と混乱することが多いので、「お客様が参られました」とか「お客様がそのように申されております」というように誤った使い方がみられます。
『お客様は、参らない し、 申さない』 と、
口癖にして覚えてしまいましょう!